サバニブログ

サバニ活動紹介

エスプリのサバニ帆漕レース初参戦は、2007年の第8回大会。

島から島へ小舟で渡る経験があるメンバーは勿論おらず、全てのことが初めてで手探りのなか、本番レースを想定した現地練習や、サバニの無い関東でもそれに応用するためのディンギーを使った練習も行いました。

翌年も続けて参戦し、07年と同じく結果を残しています。

サバニ未経験の私達が臨んだ大会の様子や、レースに向けての取り組みをご紹介いたします。

サバニレースの様子

「えすぷり」チームは2007、2008年と2回サバニ帆槽レースに参戦しました。

大会は2日かけて行われ、1日目はサバニの安全検査、艇長会議、前夜祭等を行い、レース本番は2日目に行われます。

1日目。まずは、明日のレースで海を滑走するおよそ40艇のサバニがスタート地点の古座間味ビーチに集結し、艇体や艤装がルールにのっとっているか検査が行われます。

白い砂浜に、色とりどりの帆(フー)を付けた、細く滑らかで美しいフォルムのサバニ達が一斉に並ぶ光景は、どこか幻想的で感動しました。サバニ前年度の成績順で並べられています。

浜辺のゴミを拾うビーチクリーン活動も行われ、その後は艇長会議で、当日の風によるルート短縮の可能性や、フィニッシュ時、フィニッシュ後の曳航等の説明などを確認しました。

そして、夕方には皆さんお待ちかねの、これがなけりゃぁサバニレースは始まらない!?!と言わんばかりの宴、『サバニ帆漕レース前夜祭』が始まります。

私達「えすぷり」は宴好きのメンバーが揃っているので、どうやら前夜祭を盛り上げることに一役買っている様です。それは、ライブが行われればステージ付近で踊りだしてしまうほど…(笑)会場には、大会開催を祝う様に杯を酌み交わす人々、レース本番のためにお酒はちょっと控えめで楽しむ人々がいました。島の子供達が披露してくれたエイサー(沖縄の伝統芸能。太鼓や囃子に合わせて踊る)に皆感激し、宴は最高潮へ。

明日の本番レースを迎えます。

そして2日目。白浜のビーチは各チームの選手達とその応援団で埋め尽くされ、昨日とは打って変わり異様な熱気が漂う中、全参加艇のサバニに帆が上がります。

レーススタートは朝8時。サバニ帆漕レースのスタートは「ル・マン方式」なので、スタートの号砲と同時に選手達が一斉に走り出し、サバニを海へ押し出しながら乗艇します。歓声に包まれる中、海にできたサバニの大艇団の迫力には圧倒させられました。

「えすぷり」の参戦スタイルは、アウトリガー無し舵付きのサバニ。

2007年の大会は海況が荒れていたこともあり、7回も“沈”(転覆)を繰り返しながらも、完走を果たしました。「ここまでか…」と諦めかけることもあった中、ゴールを果たした時の嬉しさといったら言葉では言い表せません。参加37艇中完走は27艇。えすぷりのタイムは5時間59分20秒で27位となり最後尾のゴールでしたが、初挑戦だったこともあり、なんと「敢闘賞」を受賞!高波にも見舞われる海上で6時間過ごした疲れも、一瞬で吹き飛ぶ程チームえすぷりは歓喜に包まれました。

2回目の参戦となる2008年は、昨年の自チーム記録を塗り替えることを目標にレースに挑みました。

島の陰を抜け外海に出ると、風が強く波も高くなります。昨年の様に沈を繰り返さぬよう慎重にサバニを操りながらも時には転覆し、体力と精神力をじわじわと消耗していく中、ゴール・那覇を目指しました。

結果、5時間3分14秒のタイムで完走!37艇中29位と順位は落としたものの、タイムは56分縮ませ、沈は2回だけで済みました。内容としては昨年以上の成績を収めることが出来たのではないでしょうか。

今後更なるレベルアップを目指し、挑戦し続けていきたいと思います!

サバニレースに挑む

“全くの未経験”という状態から臨んだサバニ帆漕レース。

初参戦の2007年は新艇サバニ「えすぷり」の進水式から始まり、知識等全く無い状態から練習を開始しました。

また、私達は沖縄在住ではなく現地で工具や材料を調達する時間が取れないため、必要になるであろう全てのモノを想定して手荷物で持ち込む必要がありました。ドリルや鋸、ネジやシート(紐)類から、角材、長い竹まで。 そして滞在中に全ての工作を済ませなければなりません。

この様な状況でも無事レース本番を迎えることが出来たのは、座間味島や沖縄本島の方々の暖かいご協力のおかげです。操船技術のアドバイスや、艇庫でのサバニ保管や船外機のメンテナンス等をしていただき、大変ありがたく思っています。

地元チーム“島童”や“ざまみ丸”との交流も、初めて参加する上でとても心強いものとなりました。

レースに挑むために、私達はサバニを長時間漕ぎ続ける技術、帆を扱う技術、そして舵で操船する技術を身に付ける必要がありました。メンバーは始め、エーク(オール同様の物。舵としても使う)で漕ぐことは出来ても、帆の調整や舵の操作に四苦八苦していました。

これを克服するため、千葉の稲毛のハーバーや江ノ島といった私達の活動圏でディンギーを使い、帆と舵の操作やバランス感覚を磨き、サバニに応用する様に練習をしました。

本番レースで結果を出しているのは、様々な工夫と、このディンギーによる練習効果も強く活きていると思います。この時もディンギーの出来る方にご指導をいただき、助けられました。

また「えすぷり」はアウトリガーが無いので、高波・強風では“沈”(転覆)をし易くなります。そこから通常の帆漕状態に復帰する“沈起こし”を、如何にスマートに早く行うかという練習も重点的に行っています。

2008年はメンバーの入れ替わりもあり、サバニに初めて挑戦するメンバーが半数にも達しましたが、比較的穏やかだった海況と昨年の経験を生かし、2007年よりもタイムを1時間近く短縮して完走を成し遂げることが出来ました。